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音素とは①

音素とは:

音素とは言語学で使われる音の単位です。
その言語の中で
「一つの音」と認識される、一番小さいかたまりの事を言います。
言語によって、「どこからどこまでが一つか」という範囲や、「この音とこの音は違う音、同じ音」という認識が違います。
この「音素」というものを知っていると、そういった事の識別が出来るようになり、外国語を理解するのに役立ちます。

音素ってどんなもの?(日本語の場合)

「音素」とは、簡単にいうと
ある単語をアルファベット表記に直して、「母音」か「子音」かに分けたものです。

日本語の場合、子音を意識したい時は、ひらがななどの日本語の文字ではなく
アルファベットに直して考える必要があります。
日本語の表音文字である「ひらがな」や「かたかな」では、
子音と母音を分けるような書き方が出来ないからです。

それでは、まずは身近な言葉をローマ字で考えてみましょう。
「ドイツ」という単語を例に解説します。下の図を見て下さい。
音素の事を考える時にカタカナ表記とアルファベット表記だと何が違うのか図で示してみました。


(注:ドイツ語ではドイツは「Deutsch」という綴りです。日本語だと思って考えて下さい。)


この例えでは、「ド」「イ」「ツ」という一文字ずつをケーキ一切れだと思って下さい。
別にカタカナ(日本語文字)で「ド」と書いても、
アルファベットで「do」と書いても、読んだら同じ音に聞こえますよね?



両者の違うところは、字で書いた時に「どういう子音と母音で出来てますー」という情報がパッと見て分かるかどうかという事なのです。



両方一切れのケーキには変わりないのだけれど、
耳で聞こえる情報しか分からないひらがな、カタカナは
(上からなど)ケーキの外側だけが見えている状態、
音の材料が見えているアルファベット表記は、
ケーキを断面から見ている状態、つまりケーキの外側の見た目も、中の具材も分かる状態と言えるのです。

そしてケーキの中の具が音素、という訳です。
中身が見えるアルファベット表記


補足

一つ補足しておきます。
アルファベット表記に直したものを「母音と子音に分ける」ということは
ただ母音字と子音字を分けるという事ではないのです。

「ドイツ=do i tsu」の中には「ts」という子音がありますね?
我々は日本人なので、「ts」は一つの字だ、とすぐに認識できます。
でも「t」だけでも発音するよう国だってあります。そういう国の人からしたら、「t」「s」という分け方も自然だったりするでしょう。
「ts」に注目!
上の例は日本語でしたので簡単でしたが
外国語で同じことをする場合は、その言語の子音・母音として扱われる文字の組み合わせをきちんと把握しなければ出来ません。

まだ読めない単語がある、という方は、先に読み書きをしっかり学んでからの方が分かりやすいかも知れません。 すでに読み方をマスターされている方は理解を深める事の足しにして頂けたら良いかと思います。

補足:
※1世の中には「鼻母音」だとか「半母音」なるものもあり、それらはまた別に分類されたりします。
もっと話が進んだ頃に見かける言葉ですので今は気にしないでOKです。


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