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母音の読み方

しゃべるドイツ語


母音の違いを意識しましょう!

「音素のはなし」で触れたように、ヨーロッパの言葉は日本語より多くの音素を持っています。
前後の綴りや組み合わせなどによって、一つの文字でも複数の発音を持っています。
母音の発音が正しいと、全体的な発音も上手に聞こえるものです。
特に母音の発音は重要です。




母音一つとっても、原語が違えば響きも違います。
日本語の「あえいおう」とは別物と思って、耳で学びながら覚えましょう。

日本語は母音の音素が5つしかありません。
対してドイツ語には18種類もの音素があります。これはアルファベットでは表せないので、発音記号を使って表現します。
発音記号に関しては別途説明いたしますので、先に基本的な用語を知っておきましょう。

母音の分類と解説

まず基本情報として、母音には種類があります。
  1. 長母音
  2. 短母音
  3. 非アクセント母音
  4. 二重母音
  5. 半母音
  6. 鼻母音
の6種類です。
この内難しいものは3番目の「非アクセント母音」です。
「半母音」と「鼻母音」も少し変わっていますが、これは母音もどきというか、中途半端な発音をする音で、日本人にはむしろ分かりやすい概念かも知れません。
以下、順番にこれらの母音を解説していきます。

長母音とは
文字通り、長く伸ばして発音する母音。
長母音は全てアクセントのある場合の発音です。
その母音を伸ばして読むかどうかは、直後の子音の数や性質によります。
以下のパターンは長母音になります。(※若干の例外はあります。)

➀後ろに子音が一つだけの時★:
Dame,sagen,Brotなど
➁後ろに「長母音のh」が付いている時:
hが付くと長母音化します。Sohnなど。
➂「aa」「ee」「oo」など同じ母音が連続する時:
Saal,Schneeなど。重母音といいます。
➃1音節の単語で、後ろに子音がない時:
da,ja,woなど
※1、2
短母音とは
伸ばさず短く発音する母音。
やはり母音の伸ばす伸ばさないの基準は直後の文字によりけりです。
下のようなケースが短く発音するケースです。

➀後ろに子音が2つ続く時★:
Herr,kommen,putzen,Strumpfなど
➁母音がアクセントを持っていない時:
アクセントを持たない音は、原則的に短母音になります。
※1、2

【注意!】

上の条件の中で、★マークのついているものにはいくつかの例外があります
例外なので出てきた時に覚えれば良いかと思いますが、いくつか例を挙げておきましょう。

【長母音の例外】 後ろに子音が続いていなくても短く発音する
das,den,es,was,in,um,an,vonなどの綴りが短いものに多い例外です。
必然的に冠詞、代名詞、前置詞が多いです。
【短母音の例外】 後ろに子音が続いていても長く発音する
werden,regnen,erst,Obst,Ostern,Arzt,Mondなど、頻出単語も多いですね。

非アクセント母音とは
1語の内アクセントの来なかった部分の母音。※2
「a i o u」はだいたい短母音になるものと捉えて良しですが、「e」は少し注意が必要です。
「ə」の項目の中で詳しく説明します。
二重母音とは
母音が2つ連続してしる場合に一つの音節として扱うものを二重母音と言い、二つの母音をを一息に発音します。 "ei","eu","äu","au"などがそうです。
二重母音になる事で、通常とは読み方が変わるものもあります。
( e + i で「ai(アイ)」と発音、など)
アクセントは先の音に来ます。※3、4
半母音とは
別の母音とくっついて発音する、存在感の薄い母音。 母音のように聞こえるけれど、母音じゃなくて子音であり、子音のくせに母音のような特徴を持っている…というミステリアスな存在。 その文字単体では1音節にはカウント出来ず、アクセントも来ません。
例えば語末に来る母音の後のr(Torなど)がそうです。子音字なのに母音のように聞こえて、でもアクセントは持ちません。※5
鼻母音とは
フランス語って感じの鼻に抜けさせる音です。フランス語由来の外来語で使われる音で、母音の直後の「n」や「m」が該当します。
この音も半母音と同じように独立して1音節に数えられる事はありません。本来は子音なので。

ポイント:
アクセントを持つ音は長母音である事が多いです。
というのも、
アクセントのない母音は原則的に短く発音するからです。
読む時に意識してみると分かると思います。
非アクセント母音半母音鼻母音もアクセントを持たないので、伸ばさずに発音します。



※1
長母音は音節末が母音のケース(開音節と言います)も子音のケース(閉音節)もありますが、短母音は音節末が子音の時にだけ現れます。
※2
長い複合語になってアクセントの位置が別の音節になると(=アクセントのない母音になる)、長母音だったものが短母音になることもあります。
※3
二重母音の強く発音しない方の母音は半母音になったりします。
※4
まれに間投詞などで「ui」という二重母音が現れますが、これは後ろにアクセントが来ます。
ちなみに「ui!」という感投詞は嬉しい驚きがあった時などに使います。
※5
語末のR以外は文献によって半母音としている範囲が異なります。

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